アコヤ貝の3倍体を利用した真珠養殖技術開発とアコヤ貝の生物特性の研究
動物の体は普通は2倍体ですが、3倍体にすると繁殖力はかなり落ちますが体が大きくなるなどの好都合な面もあります。アコヤ貝を3倍体にして大きくし活力を上げて大きな真珠をつくろうというわけです。
これには、サイトカラシンという細胞骨格のF−アクチンを壊す薬剤で受精卵を処理し細胞分裂だけを止めて精子の核も含めて3個の核を一つの受精卵細胞の中に閉じ込めて融合させ3倍体をつくります。3個の核が一つの細胞の中に閉じ込められる様子を示します。
遺伝子の成分であるDNAの量をはかると3倍体がわかります。
また、アコヤ貝の2倍体と3倍体の生物特性の比較やなぜ3倍体の真珠は輝きがいいのか、などの基礎的研究を積み重ねた結果、美しい真珠をつくるためのアコヤ貝に求められる生物特性が明らかになったし、また近年大問題となっているアコヤ貝の大量へい死の原因となるいくつかの生物的特性の要因も明らかになり、いくつかの打開策のベースになっています。
1 内村裕之、平田智法、阿部俊之助。
2 内村祐之、阿部俊之助。
3 内村祐之、平田智法、阿部俊之助。
225ー228 (1995)。
4 内村裕之、阿部俊之助*
5 内村祐之、阿部俊之助。