植物起源のプロテアーゼ

高等植物には強いタンパク質分解酵素(プロテアーセ、proteinase)を産生するものがある

    代表的なものはパイナップル果実のブロメライン、パパイヤ果実のパパインなどが有名である。

   これらのプロテアーゼは果実を食したとき炎症や不快感を与えることがある。また、総タンパク質の10%以上含まれることもあり、原料が安価で抽出が容易なので、肉などを柔らかくするテンダライザーとして用いられる。  

   これらはプロテアーゼ活性にペプチド中のシステインに由来するS-H基が関与しており、SHプロテアーゼと呼ばれる。システインやDTTなどの還元剤の存在で活性化されるので、基質の分解に伴って活性があがる原因は、ペプチドからのシステインの遊離による。

  プロテアーゼは、キウイ果実、イチジクなどにも含まれる。イチジクは樹液にプロテアーゼ(ficin)を含む。キウイ果実では、プロテアーゼ(actinidin)が果実中の総タンパク質量の10%程度を占め、食したときの刺激性の一因を成す。果実を湯通しすると刺激性がなくなる一つの要素がこのプロテアーゼの失活によると考えられる。   

 

  ナス科の植物が含むプロテアーゼにsolanainがある。これはSHプロテアーゼと異なるセリンプロテアーゼのようで、還元剤で活性化されず耐熱性がありSDS存在下でも活性を保持する。細菌由来のプロテアーゼKに似た性質を持つ。特にワルナスビ(Solanum elaeagnifoliumのものは活性が高く果実中の含量が高い。本研究室において上記のキウイ果実のプロテアーゼとともにその抽出と利用の研究を行ったことがある。