高電圧による高速電気泳動

 

これまでのSDS-PAGEは泳動距離が15cm程度の標準ゲルの場合、100−200Vぐらいで泳動を行い、約3-6時間を要していた。泳動距離の短いミニゲルを用いると40分ー60分で泳動可能であるが泳動距離が短いため、解像度やバンド切り出しなどの操作に限界がある。特に、植物細胞質タンパク質は種類が多くミニゲルでは充分に分離するのは難しいことが多い。ゲル画像解析の解像度などを考慮するとやはり標準ゲルを用いることが必要になる。

  しかし、標準ゲルで泳動時間を短くしようとして通常の方法で印加電圧を上げると発熱と漏洩電流の影響でバンドが著しく歪む。

 そこで、本研究室では両面冷却ができる電気泳動そうをもちい、さらにゲルサンドイッチの両サイドを電気絶縁することなどにより300−500Vの電圧を標準ゲルに印加しわずか1時間で電気泳動を終了させる方法を開発した。この方法は、しかも解像度が思いのほか高く通常の低電圧で行うよりも高いことが多い。これは、泳動時間の短縮によるバンドの拡散の減少と高電圧によるバンドの圧縮効果によるものと思われる。また、本法によるとアクチンやチューブリンなどのほか多くのタンパク質で、そのペプチド構造にもとづく分子量と近い値が得られる。例えば、アクチンは動物、植物とも42kDaの位置に、βチューブリンおよび動物のα及びβチューブリンは50kDaの位置にそれぞれ泳動する。

 詳細についてはMethods in Cell Biology 50B 第16章に紹介している。この方法の日本語での解説を必要とされる方は以下に問い合わせて下さい。  

abe@mcb.agr.ehime-u.ac.jp    方法の具体例や溶液の作製

Reference:  Abe S and Davies E. Methods for isolation and analysis of the cytoskeleton (Chapter 16). In Methods in Plant Cell Biology, Part B in Methods in Cell Biology, vol 50 (David Berl-Hahn ed), pp. 223-236, Academic press Inc, USA (1995), ISBN 0-120-273872-1 (1995).

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タンパク質の電気泳動