高速電気泳動法のプロトコール

 

A 保存溶液 (Stock Solutions)

 

1. アクリルアミド溶液   100mL 冷蔵で保存

 

 

終濃度

 

・アクリルアミド

44.4g

44%

 

・メチレンビスアクリルアミド

1.2g

1.2%

 

 

2. 10% SDS  1L 常温保存

SDS

100g

 

 

3. 10% 過硫酸アンモニウム (APS)溶液  1mL   用事調製 冷蔵で保存、1日以内

過硫酸アンモニウム(ペルオキソ二硫酸アンモニウム)

0.1g

 

 

4. 10x泳動用Buffer  1L 常温保存 溶解するのに時間がかかる

 

 

濃度

1xでの終濃度

・トリス

30g

250mM

25mM

・グリシン

140g

1.9M

0.19M

 

5. 0.5M Tris-HCl Buffer   1L 冷蔵保存

 

 

 

 

・トリス

60g

 

 

約0.8Lにして塩酸でpH6.8に調製後 1Lにする

 

 

 

6. 0.5M Tris-HCl Buffer   1L 冷蔵保存

 

 

 

 

1.5M Tris-Hcl Buffer

1

 

 

・トリス

181.5g

 

 

約0.8Lにして塩酸でpH8.8に調製後 1Lにする

 

 

 

2xLDS Buffer   100mL 冷蔵保存

 

 

 

1xでの終濃度

0.5M Tris-HCl(pH6.8)

4mL

20mM

10mM

・グリセリン

40mL

40%

20%

LDS

3.76g

4%

2%

BPB

0.01mg

0.01%

0.005%

D.W.96mLfill upβ-メルカプトエタノールを4mL加える

2%

1%

 

 

B   使用溶液  (Working solutions

泳動用Buffer1台分) 2200mL 用事調製

 

 

 

1xでの終濃度

10x泳動用Buffer

220mL

 

 

10% SDS

22mL

 

0.1%

 

10% GEL(分離GEL) MIX  200mL 用事調製(必要量)あるいは冷蔵保存(2−4週間)

 

 

 

 

・アクリルアミド溶液*

45.3mL

10%

 

1.5m Tris-HCl(pH8.8)

50mL

0.37M

 

D.W.

100.65mL

 

 

10% SDS

2mL

0.1%

 

 

* アクリルアミド溶液の量は、ゲル濃度10%の場合を示したが、分析したいタンパク質の濃度により適切な濃度をえらぶ必要がある。次に一般的な場合を示す。適応範囲は10-12.5 %付近がもっとも広いが、重合温度、重合開始までの保存期間、APやアクリルアミドの質、その他条件により変化するので、充分に注意すること。以下に一例をあげておく。最初のページ(タンパク質の電気泳動について)のカラ-写真は、12.5 % ゲルによる、エンドウリボソームタンパク質の電気泳動像でマーカーはシグマのHMW10-200 kDa)とLMW10-66kDa)である。

 

ゲル濃度の目安                          中心

18 % :     40-250 kDa以上  60-90 kDa(高分子量タンパク質)

2.  10 % ;   20-200 kDa              40-45  (20kDa以上の平均的細胞質タンパク質)10%  Western Blotの比較有

3. 12.5 %;   10-200 kDa             35-40  (リボソームタンパク質群)12.5 % 

4.\15-17:  3-100 kDa               20-30  (低分子量ペプチド、プロテアーゼ部分消化物、ヒストン、ゼイン類など)

 

 

分子量が数千Da程度以下の場合、ゲル脱色中にゲル中から流出する傾向があるので、グルタールデヒドなどで化学固定するか、PVDF膜に転写後に染色することが望ましい。

 

5% GEL(濃縮GEL) MIX   200mL 用事調製

 

 

 

 

・アクリルアミド溶液

22mL

4.88%

 

0.5m Tris-HCl(pH6,8)

50mL

0.12M

 

D.W.

124mL

 

 

10% SDS

2mL

0.1%

 

 

固定液   1L 常温保存

 

 

 

 

MeOH

500mL

50%

 

・酢酸

100mL

10%

 

D.W.

400mL

 

 

 

クマシー染色液   1L 常温保存

 

 

 

 

・クマシーブリリアントブルー

2.5g

0.25%

 

MeOH(特級)

500mL

50%

 

・酢酸

100mL

10%

 

D.W.

400mL

 

 

 

脱色液   1L 常温保存

 

 

 

 

MeOH

250mL

25%

 

・酢酸

70mL

7%

 

D.W.

680mL

 

 

 

 

サンプル調製

液体の試料は2xLDSを等量加え、ペレットなどの固体の試料は1xLDSで溶かす。

95℃で5分間加熱しLDS化する。このサンプルは-20℃で保存できる。

また、SDS-PAGEでアプライする前に遠心(15krpmで数分)させ上清を使用する。

 

ゲル作製

分離ゲル:

●分離ゲルMIX20mL(ゲル一枚分)を100mLビーカーに取り、APSを200μL加え15分脱気する。

●脱気終了後すみやかにTEMEDを20μL加えて軽く混ぜ、すぐにゲル板の隙間に印の上2〜3mmのところまで流し入れる(印:ゲルを流し込む前にコームを挿して下端から1cmのところに付けた印)。残ったビーカーの中のゲルは重合したかどうかの指標にするため傾けて静置しておく。

●流し入れたゲルの上から水飽和n-ブタノールを1〜2mmの高さになるように入れる。ゲルが重合するには45〜60分ほどかかる。

●ゲルが重合したらブタノールの匂いが完全にとれるまで脱イオン水で洗う(ゲルに直接水が当たらないように)。

 

 

濃縮ゲル:

●濃縮ゲルMIX5mL(ゲル一枚分)をビーカーに取り、APSを50μL加え15分脱気する。(脱気中に濃縮ゲルが入るところの水分を濾紙などで拭き取る)

●脱気終了後すみやかにTEMEDを5μL加えて軽く混ぜ、すぐにゲル板の隙間から溢れるくらいまで流し入る。その後すぐにコームを差し込む。残ったビーカーの中のゲルは重合したかどうかの指標にするため傾けて静置しておく。

 

濃縮ゲルが固まったら泳動用Bufferを2200mL(1台分)を用意し、Bufferで濡らしてコームを静かに抜く。また、Bufferを使って未重合のゲルなどを洗い流す。スペーサーを外し、ゲル板を外容器に入れゲル板の外側にBufferを入れる。ゲルの底に気泡が付いていたら除く。

 

ウェルの部分をBufferで満たしサンプルをアプライする。アプライ終了後ゲル板の内側をBufferで静かに満たす。

 

電極を繋ぎ泳動開始:

定電流モード(電流一定)でゲル一枚当たり15mA (標準の泳動装置はゲル2枚が装着できるので2枚の場合は合わせて30 mA)で濃縮のための泳動を開始する。試料が濃縮ゲルと分離ゲルの境界面にきてBPBのバンドが細く濃縮されるまで泳動を行う(約30分ー1時間)。

次に定電圧モード(電圧一定)で350Vに設定し分離のための泳動を開始する。一定電圧の下で、グリシンからなる透明な泳動前線がゲル下端より5-10mmに達するまで泳動する(約1時間ー1時間30分)。

 

泳動終了後Bufferを捨て、ゲルを固定液に浸して15〜30分振とうする。

固定液を染色液に交換して1時間振とうする。

染色液を脱色液に交換して数回濯ぎ、クマシーを吸わせるためにキムワイプなどと共に1時間振とうする。脱色液を交換し同様にキムワイプを入れて一晩振とうする。

 

なお、装置はリアルスラブ電気泳動装置( BE-120 型, バイオクラフト)を使用する。

  高電圧で泳動するので、ゲル板全体を両面から冷却する必要がある一方で、ゲル側面からの電流の漏洩を防ぐため、ゲルの両端が電気的に絶縁できる構造の装置を用いる必要がある。本装置は絶縁チューブ等を側面の隙間に挿入することによって電気的絶縁を達成しており、泳動板全体をバッファー中に沈めても側面からのリークは阻止できる。 詳しいセットアップについては、メーカーに問い合わせてもよいが、必ず”阿部先生仕様”と指定するか、メーカー側が提供する方法に従う。

バイオクラフト社

http://www.bio-craft.co.jp/seihinanni5.html 

参考文献

Abe S and Davies E. Methods for isolation and analysis of the cytoskeleton (Chapter 16). In Methods in Plant Cell Biology, Part B in Methods in Cell Biology, vol 50 (David Berl-Hahn ed), pp. 223-236, Academic press Inc, USA (1995), ISBN 0-120-273872-1 (1995).

 

 

実験方法ホーム

タンパク質の電気泳動