日本農芸化学会中四国支部会(松山:2004年1月27日)

RAFSYNPPAR、およびMKRN遺伝子ファミリーの相関的進化の解明とブリゲノム解析の果たした役割

阿部 俊之助、千葉 殖幹、土居 正宜、南埜 康隆、中筋 洋子、 Neena Mishra

所属: 愛媛大学農学部生物資源学科 分子細胞生物学研究室

 

ヒト3番染色体3p25には神経シナプスの形成に関わるSYN2、脂肪代謝やアポトーシスに関わるPPARGおよび機能不明なMKRN2という遺伝子が並びその逆鎖上にRAF1原ガン遺伝子が位置する。本研究では、魚類においてRAF1ARAFBRAFMKRN1、およびMKRN2をクローニングし、RAFおよびMKRNファミリーは魚類進化時に形成されたことを初めて明らかにした。さらにこれらの遺伝子と近傍の遺伝子群のゲノム上での位置関係を魚類とヒトで詳細に比較した結果、これら4つの遺伝子ファミリーは、脊椎動物進化の初期に3p25の並びを形成したのち少なくとも2個づつ組になって協調的に進化し、哺乳類(ヒト)の染色体上(6p21: MKRNP2, PPARD; 7q34: MKRN1,BRAF; 22q12-13: PPARA, SYN3; Xp11: SYN1, ARAF)に分散していったことがわかり、一見無関係なこれら遺伝子群の間に進化上あるいは機能上の強い連関があることが示唆された。また、RAF1下流のゲノム領域は進化上不安定な状態にあることも示された。この一連の研究で重要な役割を果たしたブリのゲノム構造はフグとサケの中間を示した。これまでの約5万塩基対の解析の結果から、ブリゲノムは比較的コンパクトでサケやゼブラフィッシュにおけるような繰り返し配列が見られず、解析が容易であることがわかり、ゲノムプロジェクトに適していると考えられた。

 

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