○羽方誠・黒田智・廣瀬由紀夫・淺海英記・阿部俊之助1.愛媛大学農、 2.愛媛農試)デルフィニウムのエチレン受容体ERSをコードするcDNAのクローニングと構造解析:

Authors: Hakata,M., S.Kuroda ,Y.Hirose2 ,H.Asaumi,S.Abe(1. Fac. Agr., Ehime U. ; 2. Ehime Agr. Expt. Stn.

Title: Cloning and characterization of a cDNA encoding an ethylene receptor,ERS in Delphinium

 

   我々はエチレン感受性を遺伝子工学的手法により制御し、より花持ちの良いデルフィニウムの作出について検討している。これまでにデルフィニウムへの形質転換法について検討し、本会において成果を発表している(廣瀬ら,1998,育雑482)。今回、エチレン感受性に関与するERS遺伝子のクローニングをしたので報告する。

【材料及び方法】

 デルフィニウム‘マジックファンテンズダークブルー’の収穫後4日目の小花から、常法によりmRNAを単離し、cDNAライブラリーを作製した。永田らが既知のETR1配列を基に設計した、degenerate primer1997,園学雑662)を用いて、デルフィニウム小花由来のcDNAをテンプレートにPCRを行った。PCR産物のDNAシークエンスを行い、確認した部分cDNA断片をプローブとして用い、cDNAライブラリーから目的遺伝子をスクリーニングした。    【結果及び考察】 

 1x10 プラークから、1stスクリーニングで10個のポジティブプラークが得られた。3rdスクリーニングまで行い、最終的に5個のインディペンデントクローンが得られた。それらをpBluescriptベクターにサブクローニングし、ベクター側2カ所、インサート内5カ所のprimerDNAシークエンスを行った。その結果、この5クローンは約2200bpであり、全てコード領域(1821bp)を含んでいた。そして、5クローンの相同性は5’および3’側の非コード領域を含む範囲で99%以上と高く、その塩基配列から5クローンは2種類に分かれた。アミノ酸配列によるホモロジー検索により、これらのクローンはシロイヌナズナなどで既に報告されているエチレン受容体ERSと高い相同性および特徴的配列が認められた(図1)。また、ETR1に見られるレシーバー様ドメインは認められなかった。このことから、得られた5クローンはデルフィニウムのERSをコードするcDNAであると推測された。

DDBJ Accession number: AB055429; AB055430(未公開)

DelphiniumのcDNAがコードするアミノ酸配列
 
Arabidopsis のETR1とDelphinium ERSのホモロロジー