RNAの種類およびその機能

DNAはすべての原核および真核生物の遺伝子として、遺伝情報の貯蔵と伝達を行っている。RNAもある種のビールスでは、その遺伝子となっている。しかし原核および真核生物のRNAは機構上および構造上メッセンジャーRNA( messenger RNA,mRNA)、転移RNA(transfer RNA,tRNA),リボソームRNA(ribosomal RNA,rRNA)の3種に大別される。このうちrRNAが最も多く、大腸菌では全RNAの約80%をしめる。ついでtRNAで、mRNAはぜんRNAのわずか5%である。

1.リボソームRNA:タンパク合成を行うリボソームの主成分で、その重量の65%を占める。rRNAにタンパク質が結合してリボソームができているが、タンパク合成におけるその役割はまだよくわかっていない。

ポリシストロニック(polycistronic)

モノシストロニック(monocistronic)

2.メッセンジャーRNA: DNA上の遺伝情報はmRNAに転写される。このとき、DNAの2本鎖のうちの、どちらか一方が鋳型となり、mRNAはそれと相補的なヌクレオチド配列となる。ここでも、シトシンに対してグアニンが、アデニンに対してはウラシルが塩基対になっている。mRNAはリボソームに結合し、そのヌクレオチドの配列をもとに、タンパク質が合成される。

3.転移RNA: mRNAの3つの塩基が1つのアミノ酸の暗号になっているが、この両者をアダプターとして仲介するのがtRNAである。tRNAは細菌細胞では約60種、真核細胞には100〜120種ある。1つのtRNAには、1種のアミノ酸としか結合しないが、1つのアミノ酸に結合できるtRNAは1種または数種ある。1つのアミノ酸はそれと対応するtRNAとそれらに特異的なアミノアシル−tRNA合成酵素により結合する。一方、tRNAには、そのアミノ酸をあらわすコドンに対して相補的な3塩基の配列―アンチコドン(anticodon)―があり、このアンチコドンによりmRNA上のコドンと結合する。このときも、Cに対してはG、Aに対してはUという塩基が対になる。

 


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