米国農務省の科学者、遺伝子断片のデータベースを急速に拡張

佐羽尾友理

M2コミュニケーションズに家畜の遺伝子のデーターベースの完成が近いという記事が出ていました。 これまでいわば遺伝子の構造や相互関係の分子データーがなく手探りで優良家畜を育種してきましたが、これからの家畜育種に分子生物学の知識と技術が不可欠になってくると予想されますね。

2000710

2000710日、M2コミュニケーションズ--ネブラスカ州のクレイセンター 農業研究サービスの科学者チームによるバイオテクノロジーの進歩により、家畜の改良にうまく使用すれば、バイオテクノロジーは普通の畜産家が遺伝的に優れた動物を見分ける一助となるかもしれないことが示された。

 

農業研究サービス長官兼米国農務省の研究庁部長のフロイド=P=ホーン氏は「総勢15人のこのチームは、世界中の研究者間で共有する膨大な新しい遺伝子の情報を生み出しています。」と言う。このチームは、クレイセンターの農業研究サービス(ARS)が管理するローマン=L=フルスカ食用肉・動物研究センター(MARC)にある。このチームで見つけられることは、ワシントンD.C.にある国立バイオテクノロジーセンター(NCBI)内データベースおよびクレイセンター施設内のデータベースでみることができる。

 

昨年このチームは、牛のゲノム内の5万の遺伝子配列を解読し、ブタについても3万以上を解読した。科学者達はこれから3ヶ月以内にさらに牛から3万、ブタからは1万を解読したいという。

 

クレイセンター施設長を630日付けで退職したダン=B=ラスター氏によれば、現在までのこの数字は、ESTと呼ばれる一般に入手可能なDNA片に関する情報のうち、牛で約95%、ブタで約90%を示すものであると言う。ラスター氏は1990年初期に、クレイセンターのチームの設立を始めた人物である。

 

ESTはある特定の組織で生産されるタンパク質を決定する遺伝子の重要な部分を表す。農業研究サービス(ARS)チームのリーダーを務める生物化学者のティモシー=P=スミス氏は、「動物のDNAのほとんどは何もしないようです。」と言っている。このため、科学者はRNA(リボ核酸)に変化する2%から5%のDNAに集中する。この変化はタンパク質を生産する途中の一段階である。

 

メリーランド州のベルツビルにある地方農業試験場(ARS)の一グループも、規模は小さいが似たような研究を行っている。このグループでは酪農牛の乳腺で機能する遺伝子を順番に配列する作業を行っている。メリーランドのチームは、牛乳生産上の特性を作り出すすべての遺伝子と、より大量のミルクプロテインを乳腺で生産するより優れた動物を生み出す遺伝子を同定するために研究している。コンピューターを使用して遺伝子配列を他の牛と比較することにより、研究者は牛乳の組成をコントロールする遺伝子を選り分けるのである。クレイセンターとベルツビルのグループは、生物情報学遺伝子バンクナショナルセンター(NCBI)とクレイセンターのデータベースに情報を集めるため共同で研究を行っている。

 

スティーブン=M=カッペス氏によると、多くの遺伝子はそれぞれでは遺伝的特性にわずかな影響を及ぼすものであるかもしれないが、それらが同時に一緒に加えられると、その群あるいは畜産業にとって大きな経済的重要性を持ちうるという。彼は先日までMARCのゲノムチームのメンバーであり、現在は動物生産及び細菌プラズムのARSナショナルプログラムリーダーを務めている。

 

遺伝子マップ作成のペースが加速化しているのは、一つには、ずっと大きな組織である人体ゲノムプロジェクトに所属する国際的科学者の成功による。人間と家畜は基本的に同じ遺伝子を持っているが、染色体上の配列にわずかな違いがある。様々な種の遺伝子配列を比較対照することは、生物医学研究者にとって、いかにタンパク質が働きいかに人体が働くかということを明らかにするために役に立っているとカッペス氏は言っている。

 

もどる

 

../gmo_contents.htm . /gmo_title.htm   ../gmo_start.htm