トウモロコシ栽培組合は最近の”BTはやっぱり有害”とするアイオア大学の研究結果を否定


-By SA  要点 畑は博物館扱? 誤った結論


 米国トウモロコシ栽培協会(NCGA)は、まもなく出版される予定のアイオア大学の2名の昆虫学者による、オオカバマダラ蝶へのBT花粉の効果に関する結論には同意できないと発表した。 実験室内での条件でオオカバマダラ蝶の幼虫への影響を証明しようとする一方で、その発見はその要約の示す最終結論である”形質転換した殺虫性作物”が幅広く栽培されるまえにもっと試験評価すべきであるという結論を支持するものではない.とNCGA会長のRoger Pine氏は語った。=>原著要点参照 Pine氏は農業バイオ問題の諮問機関であるUSDAのバイオテクノロジーに関する委員会のメンバーである。 
  まず第一にPine氏は指摘した:その科学的発見には新しいものはなにもないし”その生態学的影響は期待されていないものではなく、また他の研究の延長上にある”。そして第二に、これらの発見は特定のタイプのBTコーンを用いたものでありすべてのBT系統を調べたわけではない。 その研究に用いられたBT系統はすでにもっとも高いBT毒素レベルを花粉にもつものであり、最終的にこのBT系統と交配したトウモロコシの系統は広く栽培されていない。
  Pine氏はさらに、”他のいくつかの害虫防除技術(例えば農薬)がもつほどにはBTテクノロジーは蝶類や他の非標的種にはずっと有害でないし安全で豊富な食糧供給を可能にする”と強調した。 ”NCGAはすべての農業生産技術の評価を継続することを支持する。 しかしながら、これらの技術を”真空状態”で評価することは出来ない (注:あたかも他の要素を全く省みず、ただその問題のみを比較なしにまた、もたらす利益と継続性なしに論じることを真空状態で(in a vacuum)と表現している)ーあるいは宇宙から望遠鏡で眺めるような地球上の食糧を食べていない非当事者的態度で有害だとする論法)。 たった一つの研究が無関係の科学的発見から間違った結論を引き出したとき、我々は自分たちのトラックのなかで死ぬことを止めることは出来ない。”


SOURCE: National Corn Growers Association

問題になっているアイオワ大グループの原論文の要点と評価

  ここに批判されている論文は、BTトウモロコシ畑の中に蝶の食草を植えたポットを持っていき、それに花粉を受けて付着させたのち、オオカバマダラ蝶の幼虫に食わせて24時間以内に20%死んだというもの。 これを著者は自然界でBTコーンの花粉で蝶の幼虫が死んだということを示した最初の論文と強調し、この結果、BTコーンの作付けは生態系を乱すと主張している。 これは全く当を得ない実験を元にした”小学生の自由研究”以下の論理の論文である。 その主たる問題点は、2点あり畑のなかで花粉を受けたからそれは自然条件だと主張する点とその結果をBTコーン栽培だけが生態系を乱すと結論した点にある。 花粉をつける方法が自然であるから、結果は自然の生態系を乱すといいたいようだが、誰がトウモロコシ畑の中でオオカバマダラ蝶を飼うのでしょうか。 それに20%の死亡率ということはかなり生き残るということであり、農薬散布による死滅に比べれば上出来であり、蝶にとっては致命的にならないでしょう。 しかも、用いたBTトウモロコシは特定の系統でのみである。 

  もしそのようなやり方でトウモロコシ栽培に伴う生態系リスクを評価したいならば、同様に畑の中に幼虫をつけた草のポットを持っていき、非BTトウモロコシ畑では普通のように農薬を丁寧に散布してみたらいい。 どうなるかは火を見るより明らかであろう。 要するにトウモロコシ栽培では農薬を外から散布するか、植物に組み込むかの手法の違いによる害虫防除の特異性が問われているのであり、そのような農業上の適切な対照実験を欠いた実験研究は無意味である。 確かにやり方はユニークだが、どうやったらBTの花粉で蝶の幼虫を殺せるかという実験をやったに過ぎないことぐらいすぐにお分かりであろう。

WEB−MASTERの感想:

 

  まったく反対派とは優雅な論文を書いて騒ぐものですね。 要はトウモロコシの栽培で農薬を外から散布するか自身に持つかの選択にすぎません。 農薬を作用させたら虫が死ぬのは当たり前で、問題はその時期と場所と場所の特異性でしょう。 なお、BT剤は安全な生物農薬として50年も前から使われており、これを同様に散布してもオオカバマダラ蝶の幼虫は死ぬでしょう。 昆虫だけへの影響を研究するのは結構ですが、農業上の結論をだすためには農業現場を勉強しないとね。 博物館での結論に用いるような対照実験で農業を論じたのでは畑が博物館になってしまう。 農業の現場に昆虫学者が踏み込めば、その人にとっては”あたらしい発見”の連続ではないでしょうか。

2000-8-24


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