<参考情報>

 

20027

 

遺伝子組み換え作物に関する中国グリーンピース報告書に

「重大な誤り」と中国科学者から反論

 

背景:

中国のグリーンピース・グループは、中国におけるBtコットン(鱗し目害虫抵抗性ワタ)の効果と使用状況の将来予測に関する新しい報告書をまとめました。この報告では、Btコットンに使用されているテクノロジーを好ましくないものと位置付け、結論として、このテクノロジーは、生産されてから8年から10年経つと害虫抑制の効果がなくなる可能性がある――なぜならオオタバコガの幼虫のBtに対する抵抗性が強くなり、結果として害虫が増加するからだとしています。発表されたレポートは、南京環境科学研究所(Nanjing Institute of Environmental Science)のXue Dayuan氏が執筆し、グリーンピースが出版したものですが、中国における最近の研究を要約として報告されたなかに含まれています。フルレポートの題名は、“Summary of Research on the Environmental Impacts of Bt-cotton in China”です。

 

この遺伝子組み換えBtワタが環境に被害を与えているとした中国グリーンピースの報告書について、中国の2人の科学者から「重大な誤りがあり、偏っている」という反論が出されました。

 

中国農業科学院(Chinese Academy of Agricultural Sciences)のシーロン・シャー氏(Shirong Jia)とユーファ・ポン氏(Yufa Peng)は共同執筆した論文の中で、国際的な環境保護団体であるグリーンピースの中国支部が作成した報告書には、重大な誤りがあると指摘しています。2人の科学者は「グリーンピースの報告書の結論は肯定的な結果を多く除外しているほか、恣意的に他の結果の多くを否定的に表現している点で正確ではない」と指摘しています。

 

グリーンピースの報告書は中国環境保護総局(State Environment Protection Administration)の研究者が作成したもので、Btワタが中国の昆虫生態系の安定性を損ない、有害な合成殺虫剤への農家の依存を定着させたと主張しています。また、Btワタは中国で栽培されているワタ総生産量の35%、150万ヘクタールの栽培面積を占めると推定しています。

 

しかし中国農業科学院の2人は、政府や中立的な研究所の調査では、Btワタは圧倒的に肯定的な結果が得られているとして、「Btワタが環境に与える最大の影響は、殺虫剤使用の大幅な削減による環境へのメリットだ。(Btワタは)環境汚染を防ぐだけでなく、殺虫剤の使い過ぎによる人間や動物への事故も減らした」と反論しました。

 

グリーンピースの報告書を編集した南京環境科学研究所(Nanjing Institute of Environmental Sciences)のシュ・ダーユアン(Xue Dayuan)教授は、自らの遺伝子組み換え作物への偏見を認めたものの、結論に対する批判は退けました。シュ教授はダウ・ジョーンズ・ニューズワイヤーズの取材に対し、「私は少々偏見を抱いているかもしれない。Btワタの利点を示す結果の一部は使わなかったが、これは有害な影響に焦点を合わせていたからだ。(中略)しかし、これが非常に偏った報告書だということはあり得ない」と話しています。このグリーンピース報告書は、これまでに他の研究者が発表した研究データの中から、中国におけるBtワタの悪影響に触れたものをまとめたものということです。

 

シュ教授は、自分が報告書に使ったデータの選別が偏っていたことの弁明として、中国農業科学院の研究者ウー・コンミン博士(Wu Kongming)が発表したBtワタに関する肯定的な研究結果は、中国におけるBtワタの3分の2を供給しているモンサント社の資金提供で行われ、信頼性が疑わしいことを挙げました。またこの報告書を発表した理由として、遺伝子組み換え作物を長期にわたり使用した場合の潜在的な悪影響について中国国内での議論を呼び起こすためだったと述べています。さらに「多くの人々が遺伝子組み換え農作物は良いものだというが、すべてが良いわけではないことを示したかった。将来的にはBtワタが大きな問題となるかもしれず、何が起こるかは誰にもわからない。従って人々はそれに備えるべきだ」としています。

 

これに対し、中国モンサントのジョン・L・キルマー社長(John L. Killmer)は、「我々がWu博士のチームを選んだのは、このチームが15年以上に渡って害虫抵抗性管理に取り組んできているためで、このチームの仕事は世界中の研究者によって大きな敬意を払われ、審査を経た上で多くの専門雑誌に掲載されている」と反論しています。

 

出展:(ダウ・ジョーンズ・ニューズワイヤーズ、2002626日付)Co

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