インド政府、遺伝子組み替え綿の大規模試験を許可

720日木曜日 2:32

By 佐羽尾 友里

インドはかねてより、その気候風土もあってワタなどの主要作物の病虫害に悩まされ、特に近年の病虫害の農薬耐性が上昇しつつある。 有機無農薬の実践は無論限定的な効果しかない。 このような状況なかで、インド政府は遺伝子組換えワタの実用試験に踏み切ったわけである。 この点についてはすでに紹介してある→インドの状況と遺伝子組換え 

720日アジアパルス−インド政府(ニューデリー)は、マハラストラハイブリッドシード社(MAHYCO)による遺伝子組み替え綿の大規模農場試験を許可した。これは国の許可を受けた最初の遺伝子組換え作物となる。

 この許可は、インド政府の環境森林省(MoEF)に属する遺伝子組換え承認委員会(GEAC)が与えたものである。

 マハラストラハイブリッドシード会社の種子には、一般的に綿花の害虫で、それに多大な被害を与えるオオタバコガの幼虫に抵抗性のあるCry1Acという遺伝子が含まれている。米国の多国籍企業のモンサント社は、この遺伝子に対する独占権を保有しているが、綿の農場試験に関する許可を受けることについて米国内の様々な非政府組織の抵抗にあっている。 

 ムンバイ(ボンベイ)を拠点とするマハラストラハイブリッドシード社は、バイオテクノロジー局に属する遺伝子操作再検討委員会から小規模試験の許可を受けたことに続き、遺伝子組換え綿の環境の安全性に対する試験を様々な農業地域で行う許可を遺伝子組換え承認委員会に求めていた。 

 広報担当者は、その種子は商業的に販売を行ってはならないと言っている。遺伝子組換え承認委員会は、試験中の厳重な服従条件も提示した。

 マハラストラハイブリッドシード会社の研究では、遺伝子組換え綿の種子と油が与える水牛及び牛の健康と牛乳生産に対する不利な影響についての栄養的研究、害虫への抵抗性、そして動物への毒性に関する研究も行われる予定である。

  コメント:この遺伝子組換えの悪影響とは特別に予測されるからではなく、すべての伝統育種や農産品にある本来しなくてはいけない、あたりまえの危険性(リスク評価)評価をやるということであって、この公明さが逆に遺伝子組換えに対する大きな誤解のもとである。過去に、このような毒性評価をしなかった伝統育種品の危険性が明らかとなり、大規模に栽培、流通してから動物やヒトに対して有害と判明し、市場から姿を消したり回収されたものは少なからずあるが代表的なものは、油を絞るためのナタネである。油およびその絞り粕に有害物が多量に含まれ、動物の成長障害やヒトへの健康障害が明らかになった。 それで15年前からキャノーラという新品種に置き換わっている。伝統育種や伝統食品ではこういったことが”こっそり行われる”のが原則のようだ。

  遺伝子組換えにおけるこの公明正大さが逆に作用し”危険だ”とおもわれているのは皮肉である。 世間はやはり”臭いものにはフタ”と”知らぬが仏”の構図だろうか。 by SA


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