A 作物の品種改良はその目的が重要なのであって必ずしも収量が上がるとは限らないことは育種の常識です。 たとえば水稲の伝統育種品種であるササニシキの収量は1反当たり8俵程度で標準品種のなんと20%減です。 それで、その育種の特徴である食味がよくならない栽培環境ではササニシキは栽培しないのが常識です。 収量が減るだけだからです。 すなわち、適材適所です。 このように改良品種が収量面からはよくないということは伝統育種においていくらでもあります。 要は、なにをメリットにするかで農家は品種を選ぶわけです。

B  除草剤耐性のダイズ(RRS)は土壌が薄く乾燥しやすいところで耕起しにくい場所、いわば普通のダイズは栽培しにくいところに植えられます。 一方で、土壌が厚く耕起しやすいところでは草が生えにくいのでRRSを植えるメリットはなく、そういうところにはRRSは植えません。 すなわち、収量がRRSの環境のほうが減る傾向にあるのはあたりまえで、むしろ除草のメリットが採用され, そういうよくない環境でも栽培管理しやすいという画期的な特徴があるのです。 

  すなわち、農作物の収量や品質を比較するときは、上記のササニシキの例にもあるようにそれぞれの品種にあった比較の仕方をしないと、単に気候や土壌条件の差を示す結果におわってしまいますのでこの問題を報道される方は充分注意しないとおもわぬ恥をかいてしまいます。 くれぐれもご注意ください。

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