解説

伝統育種は本当に安全かー     論点

伝統育種と遺伝子組換えの育種方針の比較

取り入れたい性質

食品:  おいしい、甘い、色がよい、大きい、有害物がない、栄養価が高い、雑草などが混じらないなど

園芸:  育てやすい、花期が長い、色や形にバラエティがある、花が散りにくい、 花持ちがよい

生産上

病気に強い、虫がつきにくい、旱魃や塩害に耐える、除草しやすい、収量が高い、

  伝統育種伝統育種(交配)の仕組み 遺伝子組換え育種  

育種方針の決定と事前調査 

  ある植物(普通は農園芸、鑑賞など)にほしい遺伝的性質(形質)を考え自然あるいは人工的に変異させて作り出すか、自然界ですでにあるものを探してくる。 取り入れたい性質を分析しどういう遺伝子が適当か資料を調べたり、自然界から探し研究して遺伝子塩基配列のレベルなどの分子レベルまで解明する。ー長期にわたる調査・研究  

育種実行の準備

  調査が終われば直ちに着手ー形質の一語のもと、未知のものであっても有害性の詳細や遺伝子の同定、配列決定、まして産物の危険性の検討などは行われないことが多い。  みつかれば研究して遺伝子塩基配列や発現のレベルなどの分子レベルまで解明する。有害性も詳細に調べるー長期にわたる事前の調査・研究  

育種の実行(性質の導入)

  形質という言葉のもと、性質をになう遺伝子や産物が分らなくても、敢行 性質をになう遺伝子が同定、配列決定、産物およびその作用の解明をしてから、さらに生物種がむやみに変わらないよう配慮して実行  

すべての導入あるいは変異遺伝子の数、場所

  1−数万個

目的の性質をになう遺伝子はグループとして一括して扱われその正確な数は不明であることがほとんど 

目的外遺伝子は有害性に気が付かない限り放置

生物種が変わってしまうこともあり。

1−数個あるいは必要とする数

目的外の遺伝子は導入されない

生物種の変更は行わない

 

性質の選抜

  大まかな性質を目視や若干の分析などで、ほしい性質をもちかつ作物として使える個体を何千(何万?)実際に栽培したものの中から選び出す。  必ず実験室内の閉鎖空間で種々の検討と選抜をした後、閉鎖温室で栽培特性をしらべ、OKとなったものを特別の場所で実地栽培し導入した遺伝子の働き具合などを詳細な検討する。  

有害性の検討

  市場に出す前においしいとかいうメリット以外まともに調べられないケースも多い。 詳細な審査基準と考えられる可能性を列挙してのチェック  

雑草化始め環境や生態系への影響

  栽培上問題がない限り雑草化はじめ生態系への影響などは事実上チェックされない。  雑草化するかとか他種と交雑するかなどを綿密に調査検討する。  

安全性

  市場にでてから詳細な研究が始まる 

登録、新品種のカタログにはいいことしか書かない。 品種登録は経済的利益や権利確保のみー開発者は事実上免責

市場に出る前に詳細な研究がなされる

登録、承認にかかる種々のデータが公開される。 開発者責任が問われる

 

フォローアップ

  大衆にはほとんど知らされないで研究がおこなわれ、公衆衛生上問題が出たときにのみ食品衛生法、刑法などでケースバイケースの対応

食品加工業者や消費者など使用者の責任で食用に

 問題があれば栽培中止などするが、自然消滅的対応

多くの専門家、市民団体などとのパブリックな議論をおこなう

公的、私的モニタリングによる自由な議論と別法による予防的調査

 

 

使われなくなった品種の取り扱い

  自然消滅または雑草化しても放置 処分、駆除  

   さらに伝統育種は種の壁をこえるのみならず種の壁を変えてしまう伝統育種は種の壁を越えるどころか変更する)。 

これでも伝統育種は安全? 


もどる