トウモロコシに含まれるアレルギー可能性タンパク質と発癌物質の比較

このページ下方に示す表にトウモロコシのタンパク質や発癌物質に関する最新の基礎的情報(2000年)をまとめた。 この表からわかるように、組換えタンパクが現実的なアレルギー性を持つためには既存のアレルゲンの数千倍から数万倍の強さのアレルギー性を持つ必要があるが、そのような高いアレルギー性を持たないことは種々の実験ですでに証明されている。  もっともアレルギーの可能性が高いと疑われるスターリンクのCry9Cでさえ極めて精密な実験を繰り返してもアレルギー性をいまだ証明できないことも重要な証拠である。 仮にあったとしてもその摂取量からみてとても問題になるようなものではない。  逆に見積もれば、既存のアレルゲンより比較できないぐらい低いアレルギーのリスクしか持ちえず。 すなわち、トウモロコシ中に含まれる量とリスクのファクターを掛け合わせれば、他のアレルゲンのリスクにくらべ何万分の一以下のリスクしか持ち得ないことになる。 組換えトウモロコシ中のBTトキシン量は1ppm以下。

発ガン性ではカビが生産する地上最強の発ガン化学物質であるアフラトキシンのみ示したがそのほかにも安全性未確認のカビ毒が一般のトウモロコシには多く含まれている。 BTを導入した遺伝子組換えトウモロコシでは虫の食べ後からのカビ感染症が極小であるためこのカビが生産する毒素の含有量が激減した。 一部に、BT殺虫遺伝子が変異し抗ガン作用をもつようになったと宣伝されているがこれは完全な事実誤認にもとづく誤りであり、BT−トウモロコシの耐病虫害性が遺伝子組換えで導入した安全な天然の殺虫物質で自然に高まった結果であるー組換えトウモロコシは健康食品参照  

 また、もうひとつの重要なポイントとしては、ピーターコーンのようなアレルゲンを多量に含むトウモロコシのように、このようなアレルギー性遺伝子の導入は伝統育種では全く野放しであることは重要である。 当HPではほかにもアレルギー性遺伝子が伝統育種により作製(変異)、導入されたケースを把握している(いずれ公開する)。 このようなアレルギー性物質を生産する遺伝子が導入されることは、遺伝子組換えの場合においては開発段階や安全審査などではじめから排除される。 伝統育種は流通後”安全審査”

  既存のリスク(伝統リスク分) 組換えリスク分 既存リスク分
アレルギー性 発ガン性 農薬
主要タンパク質 濃度ppm アレルゲン性 抗体生成 イネアレルゲン* BT殺虫剤 アフラトキシン濃度 収量
一般的なトウモロコシ ゼイン 40−60万 有り  主要タンパク質の未消化物の動物における抗体生成有り 3千ppm以下 5―100ppb

比率 1

有機リン系を含む多量散布100%  

 

伝統育種品種(ピーターコーン) ゼイン 40万 有り 3万ppm   分析なし
遺伝子組換えトウモロコシースターリンクを含む 上記の(ピーターコーンを除く)一般的なトウモロコシに同じ 上記一般的トウモロコシに同じ(3千ppm以下) 1ppm以下  ヒトや動物での抗体生成検出されず) 0.1―10ppb

比率:0.02-0.05

50%以下 通常5−20%増加

 

*イネアレルゲン:イネ(米)の主要アレルギー物質であるデンプン合成酵素の高度類似物でトウモロコシの変異株に含まれ伝統的交配によりポピュラーなスイートコーン(ピーターコーン)に持ち込まれたもので、これが組換えで導入されたのなら絶対に安全審査に合格しない。 

主要タンパクゼインの部分分解物がミルクに含まれていることがごく最近わかり人にもこのタンパクに対する抗体ができているのでこのゼインのアレルゲン性について研究が行われている。 

アフラトキシンの許容値は日本が10ppb、米国が20ppb、途上国などの国際標準(FAO)値:30ppbである。 

カビ毒 aflatoxins (アフラトキシン類) B1, B2, G1 and G2; 

その他: ochratoxin A, zearalenone and fumonisins B1, B2 and B3  

アフラトキシン類の発ガンのメカニズムとしてはDNAや染色体に直接作用し、細胞変異修復タンパクp53の遺伝子を変異させたり、細胞増殖のコントロールをするRASタンパク質の遺伝子を変異させたりすることが知られている。 フォスフィンという農薬を高濃度に与えるとアフラトキシンの生成を抑えるという報告もある。 特に最近これらカビ毒の与える食品リスクが問題となり活発に世界各国で食品や農産物における含有量調査や危険性に関する研究が行われていることは消費者や食品メーカーは十分に知っておく必要がある。

スターリンク問題を考える

参考文献     さらに詳しいリスト

Testing shelled corn for aflatoxin, Part I-III: evaluating the performance of aflatoxin sampling plans. J AOAC Int. 2000 Sep-Oct;83(5):1279-84.
 
Occurrence of aflatoxins in cereal grains from four Egyptian governorates. el-Tahan FH, el-Tahan MH, Shebl MA : Nahrung 2000 Aug;44(4):279-80

Mold occurrence and aflatoxin B(1) and fumonisin B(1) determination in corn samples in Venezuela. Medina-Martinez MS, Martinez AJ  J Agric Food Chem. 2000 Jul;48(7):2833-6. 

Survey for aflatoxins, ochratoxin A, zearalenone and fumonisins in maize imported into the United Kingdom. Food Addit Contam. 2000 May;17(5):407-16. Scudamore KA, Patel S RHM Technology Ltd., Lord Rank Centre, High Wycombe, Bucks, UK

Determination of aflatoxins in food by overpressured-layer chromatography. Otta KH, Papp E, Bagocsi B J Chromatogr A. 2000 Jun 16;882(1-2):11-6.

Natural co-occurrence of fumonisins, deoxynivalenol, zearalenone and aflatoxins in field trial corn in Argentina. Food Addit Contam. 1999 Dec;16(12):565-9.


Sequence alterations in p53 gene of hepatocellular carcinoma from high aflatoxin risk area in Guangxi. Chung Hua Chung Liu Tsa Chih. 1997 Jan;19(1):18-21.

Suppression of spore germination and aflatoxin biosynthesis in Aspergillus parasiticus during and after exposure to high levels of phosphine.
Mycopathologia. 1999;147(2):83-7.

A survey of fumonisins, deoxynivalenol, zearalenone and aflatoxins contamination in corn-based food products in Argentina. Food Addit Contam. 1999 Aug;16(8):325-9.


A survey of fumonisins, deoxynivalenol, zearalenone and aflatoxins contamination in corn-based food products in Argentina. Food Addit Contam. 1999 Aug;16(8):325-9. 

Dietary clay in the chemoprevention of aflatoxin-induced disease.
Toxicol Sci. 1999 Dec;52(2 Suppl):118-26. Review.

スターリンク問題を考える


もどる

 

../gmo_contents.htm . /gmo_title.htm   ../gmo_start.htm