ベンブルックレポートについて

 

 ベンブルックレポートでは、ラウンドアップ・レディー大豆に関して収量の減少、および農薬使用量の増加が報告されていますが、このレポートで行われている評価方法は以下のような問題点を含んでいます。

 

1)ラウンドアップ・レディー大豆および非組み換え大豆の収量調査について

 

 ラウンドアップ・レディー大豆の収量に関しては栽培農家、大学、種子会社、私的または公的な調査会社によって様々な調査が行われています。その中でも直接ラウンドアップ・レディー大豆の収量や雑草管理を体験する栽培農家の評価が最も有効なものであり、これによってラウンドアップ・レディー技術の受け入れが左右されます。栽培農家に対する調査の結果、ラウンドアップ・レディー大豆について90%以上の農家が満足しており、ラウンドアップ・レディー大豆において減収が問題となっていないことが明らかです。ベンブルックレポートにあるような減収が事実であるならば、ラウンドアップ・レディー大豆は生産者の支持を得ることはまずないでしょう。ラウンドアップ・レディー大豆の商業栽培は1996年に開始されましたが、米国農務省が6月30日に発表した遺伝子組み換え作物の作付け予想によると2000年のラウンドアップ・レディー大豆の作付け面積はアメリカの全大豆栽培面積の54%を占めることが発表されました。もしベンブルック・レポートのように減収となってしまうような大豆ならば、栽培農家が毎年のように増加し続けるでしょうか?このことからもベンブルック・レポートの報告が現状の農業場面とかけ離れた結果を示しているといえるでしょう。

 

 ベンブルックレポートには大豆の収量調査に関して2つの試験結果が引用されていますが、以下の点でその解釈には問題があると考えられます。

一つ目の、大学における試験では多くの大豆品種の平均収穫量を比較していますが、比較されている従来品種とラウンドアップ・レディー大豆の品種の数が異なっており、正確な比較が行われていません。一例を挙げると、ウィスコンシン州の北部で行われた調査では、調査された78品種のうち従来品種が70品種で、ラウンドアップ・レディー大豆はわずか8品種です。このような比較する品種の数に差がある場合は、正確な比較が行われません。

 二つ目の、それぞれの種子会社ごとのラウンドアップ・レディー大豆品種と非組み換え大豆品種との比較においては、同じ会社の熟期の近い品種を比較することにより遺伝子組み換え技術による収量への影響を見ることができるとしていますが、実際にはそれぞれの遺伝的背景は異なっており、この比較は遺伝子組み換えによる影響の比較ではなく、単なる品種の比較といえます。

 

ベンブルックレポートの中でも述べられていますが、遺伝子導入の収量への影響を比較する最も正確な方法は、導入遺伝子を持つか否かという点だけが違う、遺伝的背景の同じ品種同士を比較する方法ですが、ベンブルックレポートの中にはそのような調査結果は引用されていません。

 

なお、モンサント社ではグリホサート耐性遺伝子を持つ点だけが異なる、遺伝的背景の同じ材料を用いた調査を行っており、ラウンドアップ・レディー大豆品種の収量は非組み換え大豆品種と同等であるという結果を得ております。
2)ラウンドアップ・レディー大豆によって農薬使用量が増えたとする記述について

 

 ベンブルックレポートではPursuit (sulfonylurea)という除草剤とラウンドアップの比較一例だけから農薬使用量の増加を指摘していますが、通常農家はPursuit以外にも複数の除草剤を組み合わせて散布します。Doanne Market Researchの調査によると、1996年のラウンドアップ・レディー大豆の導入以降の4年間でアメリカの大豆栽培における除草剤使用量は10%減少しています。大豆栽培に使用された除草剤の総量だけをみると、1996年は77.2M lb、1999年は79.4M lbと増加していますが、この間に大豆の栽培面積もまた増加しているため(1996年 64.3 M acres; 1999年 74.2 M acres)、結果として1エーカーあたりの除草剤使用量は減少しています(1996年 1.2 lb/acre → 1999年 1.07 lb/acre。10%以上削減)。このことから、アメリカにおいて半数近い栽培面積を占めるラウンドアップ・レディー大豆は農薬の使用量を増加させていないことが示唆されます。また、従来の大豆栽培においては複数農薬を複数回散布する必要がありますが、ラウンドアップ・レディー大豆は使用農薬の種類・散布回数の減少に寄与しています。

 加えて、米国環境保護庁(EPA)では地下水汚染のおそれがある農薬についてラベル表示に関する通達を行っていますが、1996年のラウンドアップ・レディー大豆の商品化以降、この通達にリストされている大豆用除草剤の使用量が60%(1,700万ポンド)削減されています。

 

以上のように、ベンブルック・レポートについてのモンサント社の考察を述べましたが、重要なことはラウンドアップ・レディー大豆がアメリカにおいて50%以上栽培されていること、すなわち栽培農家がラウンドアップ・レディー大豆を受け入れているということです。このことは、ラウンドアップ・レディー大豆が栽培農家に良い品種であると認められていると同時に、彼らに利益をもたらしているという証ではないでしょうか。

 

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