遺伝子組換え作物・食品に関するFAQ

 

1.遺伝子組換え植物に疑問があります。まず、「安全」と言われたものは、実験室内での話なのですか?ーーーーーーーー

安全には厚生省が審査する食品としての安全性と、農水省が審査する環境への影響 が あります。

食品として栄養素などを調べるのは勿論実験室で、実験室で分析したり、動 物実験したりします。 後者は閉鎖系、隔離圃場、開放系の順で調べます。  ここは農水省のHPの組換えQAにでています。

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2. 自然の中で育てるのなら、自然環境(例えば、化学物質、放射線、紫外線な ど)が 要因となり、人間を含む、生物に 悪影響を与えるものに変化したりしないのですか?ーーーーー

  放射線、紫外線の影響をうけるのは組換えだけの問題ではありません。自然環境からの影響はよきにつけあしきにつけ、生物すべての遺伝子が均等に受けています。紫外線が皮膚ガンの要因になることなることなよく知られていますね。また組み換えた遺伝子の数はは伝統法に比べると数百から数万分の一個以下です。 生物の遺伝子自体は数万個あるので、その心配は他の遺伝子が有害になるリスクより数千分ー数万分の1です。 塩基対数(数億から数十億個)で計算すれば数百万分の一となります。 しかも変異してもそれが何か働きをもつのはこれまた低い確率となります。 言い換えると組み換えた遺伝子が変異してなにかおこるより何万倍も他の遺伝子にご心配のような異常がおこりやすいといえます。

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3. それと、遺伝子組換え植物の花粉が虫などを媒介に在来種と交配する可能性もあると思うのですが。虫の行動範囲が 小さいなら、鳥も考えられます。生態系をはじめ、在来種の遺伝子が変化してし ま うのではないですか?

  交配といいますが花粉がかかっただけでは何も起こりません。 花粉がかかったあと発芽生長力のある種ができてそれが繁殖力をもたなければご心配のことは起こりません。 近縁種の雑草との交配では繁殖力のある種子が出来る確立がきわめて低いということを頭に入れておく必要があります。 遺伝子組換え植物の交雑の問題は、開花期、不和合性(交雑は相性のよいものとし か 起こらない)、近縁種の分布、虫の生態など多くのデータを調べ、交雑が起こらないように選んで栽培することで解決できるように考えられて栽培されています。

作物の種類や栽培法により生態系への影響も多様です。 また植物は自分の花の中で受粉するものと、風媒花、虫媒花といって風や虫によって他の花から受粉します。(中学の理科) また、導入遺伝子の性質も重要です。 虫による交雑はトウモロコシのような風媒花ではあまり考えられません。 一方、ナタネのような他家受粉するものは可能性があります。 それでそれをさけるさまざまな手法がとられます(上記)。 ダイズでは自家受粉が99%近くで花が咲いたときはもう受粉しています。  ジャガいいもはたねいもで、しかも 花が咲きにくい上花がさくまで畑にほおっておかないのが普通です。  その場合でも万が一の交雑は ありえますが、次に問題になるのはその導入遺伝子が自然界で選択に有利に働くかどうか、また、実際に有害かどうかです。 たとえば除草剤耐性大豆のようなものは自然界にある酵素を作る遺伝子を組み込んでいるので害作用は考えられません。 一般的には自然界で選択されにくい有害でない遺伝子が組換えの対象にえらばれます。  さらに、交雑が起こったかもしれないというデータがあるとすぐにチェックされます。

鳥のうちでもハチドリは花の蜜を吸いにくるのですが数が希少で生息しているのがごく一部の地域です。 いずれにしても昆虫と同様に考えていいですが、ミツバチのように花粉を集めません。 他の鳥では体についてという可能性はありますが、遠く離れた場所での受粉に寄与するとは考えられません。 それはハチドリは別にすれば、鳥は花を訪れないため体についたかもしれない花粉を、本来の花粉を押しのけてめしべにまで持っていくことが事実上ないでしょう。 また、さきに述べたように近縁種との交配による種子形成は極めて確立が低く、さらに本来受粉すべき同種の花粉との競争があるので、万が一受粉しても種子がそう簡単にはできません。 

  遺伝子組換えした遺伝子の数(1−数個)以上の遺伝子の変化は起こりません。 むしろ、伝統育種で何百何千と不要遺伝子を導入したもののほうがご心配の問題を起こすと思います。 現にそういったことで生じたのが伝統的なセイヨウナタネで(アブラナとキャベツの自然交配)、いまや人間の手をかりて世界中の農地や野山に広がっています(有害成分があるので現在では栽培はほとんどされていないはずですが)。

   さらに在来種の変化では、最近の園芸用の寄せ植えの植物、港の荷物について来た種が帰 化植物となっているはノーチェックなので、こちらを心配した方が現実的ではないかという学者もいます。スイセンもそうですし、セイタカアワダチソウ、アサガオ、西洋タンポポは有名です。 時間がたてば自然交配でセイヨウナタネのように新種が出来るかもしれませんね。

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4. それと、遺伝子組換え食品を食べても、胃液で消化され…と本に書かれていたので すが、それは調子が悪く胃腸の調子が良くない人や、もともと胃腸の機能が弱い人でも大丈夫なのでしょうか?ーーーーーーーーー

 

胃液で消化される時間や様子の調べたデータは厚生省に提出されていますが、ここ でいわれているタンパク質に対しては、ヒトは受容体といって反応するしくみを持って いませんので、殺虫剤がそのまま腸の中に入るという状況にはなりません。害虫耐性農作物で産生される蛋白はわずかな量のうえ非常に構造が簡単で分解時間も分単位でとても早いです。 しかも、このタンパクはすでに日本ではハクサイやキャベツなど生食する野菜に農薬として長期にわたって使用されております。

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5. そして、一番疑問に思うのは、遺伝子組換え前までのバイオテクノロジーは人工的 とはいえ、自然に起こる可能性も あったわけです。ーーーーーーーーーーーー

> > そうでしょうか。 遺伝子組換えは自然に起こっています。 それで自然の生物から抽出した酵素を用いて行います。  しかも、遺伝子組換えのあと完全な植物体に 自然のちからを使って戻していきますから、人工的な積み木細工のようなものとはちがいます。

伝統育種(交配)では数百ー幾千もの遺伝子が一度に導入され偶然的に組み変わってい き、それを人間が選択して作っていきますから、人為的に組換えを促進しています。

>  突然変異も同様です。組換え以前のバイオテクノロジーの中でそれこそ自然におこらない人工授 精、細胞融合 など人間はおこしています。ガンの治療、新薬の開発はまさにこの恩恵にあずかっています。 > >

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6   しかし、遺伝子組換えは本来存在し得ない物を作り出しているわけで、現在私達が食しても全く安 全だとしても、将来、私達の子孫に遺伝子的に何かしらの影響が出たりはしな いの でしょうか。遺伝子のホンの一部 が変異しただけで現れる病気が幾つかありますよね。たった1つのアミノ酸が置 換 したぐらいで見た目や中身は人間でも異常を出してしまう事もある。これは植物には言えないのですか?ーーーーーーーー

> >まず、人工が常に危険というわけではありません。これまでに人間は自然に存在しない植物を、人工的交雑(無理やり種をつくる)や自然では淘汰されてしまうような突然変異の人工的選抜あるいは人工的に突然変異を起こしたりして作り出して利用してその恩恵にあずかってきています(トウモロコシや麦類、イネ、大豆、甘柿、ウンシュウミカン、イヨカン、ネクタリンはじめ枚挙にいとまがない)。 これらはまた人間の手がかからないと自然に繁殖するのができないものも多いです。 そして、これらの安全性も科学的判断によるしかありません(後述)。 また、遺伝子組換えは自然に存在する遺伝子を用い、必用ならば我々が利用経験の豊富な、たとえばBTトキシンのような遺伝子を用います(50年にもおよび農薬として野菜などに実際に安全な生物農薬として使用されてきました)。 

  塩基の変異のことですが、塩基多型のことをいっておられると思いますが、植物では伝統育種したもののなかに多数見つかります。 このようなこと が植物の同じ品種のなかでのバラツキにつながっていることは充分に考えられます。 グリーンピースとキヌサヤエンドウでは、両種の可食部の違いに関係のないある種の遺伝子の塩基が20以上もちがっていてアミノ酸も違っています。 さらに、小麦などでは伝統育種の結果遺伝子が強度に重複しているので配列の何個かずつ違うものが何種類も出てくることがあります。 キャベツの仲間では染色体がことなる種類同士の自然交配でできたものがあり(セイヨウナタネ、カラシなど)、生殖に支障があったのですが、それがことなる組み合わせのまま2倍になり殖えるようになりました(複2倍体という)ので、遺伝子の組成は複雑でそれらがなにを引き起こしているか正確にはわかっていないことも多いです。  グリーンピースでは同じ種類なのに、伝統育種の結果、産地が違うだけである遺伝子に一塩基の置換 が6か所もあるのが混じっているケースもあり安全性は検討されていませんが、これが普通の作物の遺伝子の姿です。 遺伝子組換えではこういったこともチェックされ組換える遺伝子の安全性のみならず元になる作物の安全性も充分にチェックされます。

  また、我々が今問題にしているのは食べたときに今まで食品と比べてどうか、とい うことです。 製品となった農作物を食べたときの本人への影響のことがわかり、体内に蓄積されたり、DNAをこわしたりしないとわかっていれば、子孫.に対しても大丈夫とするのが最新の科学的な判断です。   逆に伝統的なナタネは有毒物を含むことが最近わかり、食用が不適とされました(キャノーラ種に変わっている)し、そのほかにもソテツやある種の香辛料など最近食用不適とされた伝統食品はいくつかあり、すべて科学的判断です。 このように、人工、天然とわず科学的な評価と判断が大切です。

しかしワラビの発ガン性などは有名ですが、毎日大量に食べる人はいませんから、発売.禁止にはなっていません。 

7. 遺伝子組換えは種の壁を越える危険はないのですか

  遺伝子組換えは導入する遺伝子は他の種から持ってくることもできるのでそう思われるかもしれませんが、遺伝子操作した作物自体の種を変えることはありません。 伝統的交雑などのほうが種を変える危険があります

==>伝統育種は種の壁を越える

 


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