有機農法の可能性について

 

拝啓:  今日は、となりの木にきたウグイスの声で目がさめた、今春初めてのウグイスデーでした。 もう菜の花もさき彼岸桜は満開という今日この頃です。

  ところで、FAOのなかでも意見は相当割れてるね。 しかし、有機支持さん(有機・環境担当官)のはなしはようするに今言われているリスクがないと言うだけの新味のない古い解説の焼き直しのよう。 有機が健康にいいという積極的な分析や計算はなくただ問題がわからないから不安を感じないというだけ。また、BSE(狂牛病)のような問題は有機にはないといっているが、別の病害の問題が起こるし、非有機であっても他の国ではBSEの問題を起こしていないから、これはEU特有の問題でありかれらのリサイクル観が生み出した、草食獣を肉食に変えたことに起因するEUの人があみ出したことによるものであり、有機さんのこれを一般化する見解は誤りである。 さらに、あいかわらず、生産量の低減にはふれず、というよりそれは分配の問題で片付くという見解のよう。 そりゃ、アメリカやEUが自国の高価な食糧をみんなにただで振舞えばいまの食糧難は片付くのは数字の上で明らか。 そもそも分配の問題は、先進国が高品質と安全と安定を要求し食糧生産コストと価格があがり、また、無理な農耕地の拡大と農薬などのコストが著しく高まっているため、生じたこと。それに、生産が増加しているというが、それは、従来法の面積を食って有機の面積が増えているから有機の生産が増加しているのであって、有機のおかげで増加しているのではない。

  原始生活にもどれば、一定の人口までは有機でまかなえることはあたりまえで、FAOの有機さんの主張は、食糧の足らない国でお金のない国は”食糧生産だけしておけ”ということか(日本も?)。 人類は過去にそうしてきたが、いま、それ以上に食糧が求められるのは、別の文明的要因(長寿命への願望と生活の質の向上と都市化)があり、彼女の分析は現代においては要を得ていない。 彼女の主張は悪しき時代の共産主義の概念からぬけだせていないような気がする。

  日本においても同様の議論があり、今の摂取カロリーを2000kカロリーぐらいの生存ぎりぎりのところに設定し、人口を(現在は約1億2000万人)6000万―8000万人におとすことで、有機型農業が我々をまかなえるのは私も承知している。 また、私自身で計算したところ、家族全員が私の田舎に帰り、農業を自身が食べるのみに限定し営んだとすると、10アールの田と同規模の畑、ニワトリを飼いそれから若干の山林での薪炭の調達やイノシシや鹿猟、川での漁業(ただし、下流にダムができたためウナギなどは遡上してこないからこの小倉に水をおくっているけしからんダムは壊してやる)などで有機に近い形でかろうじて4人家族が生活できる(幸当地は水は充分にある)。薪で風呂をわかし、炊飯をし、井戸水でスイカを冷し、そして車はなく、バスか徒歩で町にでるという要するに私の母親の親の世代に生活をもどせば可能ということだ。 若干の山林ではスギやヒノキやブナ、ケヤキといった木も立派にそだつので、何十年に一回かの家の修理の材料も調達できるだろう。 私は有機肥料作りはじめ、子供の頃、Organic Farmingに類似したものを経験しているから、容易にイメージできる。川釣りにでかけ、夕食の魚が子供でも釣ることができ、また、親父が釣り上げたニジマスの姿がいまでも思い出される。 また、親父の里では川で砂金を拾ってたそうだ。 しかし、災害さえなければこのような比較的小面積で”豊かな”生産が年をとおして継続的にまさにサステイナブルに営めるところはどれくらいあるだろうか疑問である。 無論、私が大学で研究と教育に携わるなどは想定外である。 こういことを、今日のFAOの方は想像しているのだと思う。 それが、善か悪かの判定しかできなければ現代における食糧問題を論じる資格はない。  有機はあくまでもオプションの一つという、本学の有機農法の専門家でJAS規格の委員長経験者の言葉は以外と重い。

ーーー発端ーー

FAOのなかでも、有機に関して意見が分かれる。−しかし、今日報道された有機擁護の幹部の方の論説は、現代の人々の願望とは無縁のただ食べ生存するのみを前提にした、前時代的農業観のようである。 有機は、GMや農薬のもつ懸念を持たないということと分配の問題が主要な部分を占めていると述べているが、それは有機自身がもつリスクと問題点に目をつぶっただけのことである。 また、BSE(狂牛病)のような問題は有機にはないといっているが、別の病害の問題が起こるし、非有機であっても他の国ではBSEの問題を起こしていないから、これはEU特有の問題であり、かれらのリサイクル観が生み出した、草食獣を肉食に変えたことに起因するEUの人があみ出したことによる。 有機農法自身確かに技術は進歩したが、その効果は人口増と生活願望の変化によって覆されている。 

2001-3-7


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