GMは農業を破壊するか?

 日本でも一部マスコミが取り上げている、遺伝子組み換えRRS大豆の収量についての通称”ベンブロックレポート”は、ベンブロック一族のビジネスの一環と見ていいだろう。 一部に米国政府の公式レポートかのような報道があるが大きな誤りである。  

  また、収量が下がると大騒ぎしているが、農作物の育種で選抜形質で収量を優先しなければ下がるのはあたりまえで、そのときの下がりかたは、伝統育種品では10−20%にも及ぶことがある。 たとえば、ササニシキなどである。 これに比べれば、RRSの収量問題は5%増えるか減るかのレベルであり、主たる選抜形質が除草剤耐性であるから、作物育種的および農業的に何の問題もない。 収量の実感は農家サイドがもっとも敏感だから、60%を超えるような作付けになるはずがない。 収量減や病虫害問題をいうなら、日本でいえば、銘柄米は”農業を破壊”することになる。 収量の多い品種をベースにして味のいい米や病虫害耐性などを主体に育種すれば、収量は減少しやすい。 一部にこれを遺伝子組み換え特有の問題のように説明されているが、大きな誤りで育種一般の常識である。 遺伝子組み換えはむしろ逆に、因子の厳密な選別によりその一般育種のマイナス面をカバーすることもできる。 一部マスコミは育種をまったくご存知ない”反対派専門家”の意見だけを取り上げすぎである。 さらに除草剤の性質も重要だ。 RRSの栽培が増大すれば、耐性がでやすく環境に残留性の除草剤の使用が減少するのであるから結構ではないか。 こういったプラス面をかたくなに黙殺あるいは知らないような取り上げ方の意図はいったいなんなんのであろうか。 ベンブロック一族の機関紙といわれても仕方ないのでは。 あるいは、農業をよく知らない一般消費者に対する意図的アピールとは言いたくはないが、ベンブロック一族のHPですら自分たちへの反対意見を取り上げている。

  FAOでは、いろいろ議論はあるが世界食糧需給のためにはGMは必要と言明。 理由は、世界の耕地面積が人口の増大にともなって減少しているためである。 化学肥料や農薬の投入にも制約と限界があるとすれば、生物側を効率的に変えるしかない。 これには、精密なGMが安全面においても有効であるのは当然だ。 たとえば、当HPが関係しているある植物遺伝子は、作物のリンの吸収を促進するので、リン肥料が少なくても成長が促進される。 ちなみに肥料資源のなかでリンは重要であるが枯渇ぎみである。 こういった遺伝子を用いた組み換え作物は農業生産的に極めて重要だ。

2001-5-15


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