脊椎動物の進化はDNA量の増加とそれに伴う遺伝子の新生と淘汰によりなされたと考えれる証拠が我々の遺伝子やその他の下等脊椎動物に残されています。 まず、最初の遺伝子の多重化とそれによる遺伝量の増加は魚類が進化した4億年ほど前であると推測されます。 2回目は魚類から両生類や爬虫類への進化のときです。 同じ遺伝子が2回以上重なったり、別の遺伝子とぶつかり合って遺伝子同士が融合したり、逆にちぎれて分断したりという、惑星誕生さながらの出来事が染色体の中で繰り広げられたと考えられます。 そのとき、生じた多くの新しい遺伝子は重要な働きを獲得すればより進化し、役に立たなければ淘汰されやがて、宇宙のゴミのように遺伝子の間の配列として埋没し消えていったと思われます。 人間の遺伝子はその祖先の魚類にくらべ遺伝子の隙間(イントロンなど)が5倍以上というものも珍しくなく、この2回目の遺伝子増加はかなり大きかったことをうかがわせます。

    一般に遺伝物質量が増え遺伝子が重複すると生物体が大きくなり、形状も複雑になるという現象が動植物問わず見られます。 例えば、小麦は基本の6倍体にまでなり収量も増加しますし、倍数体になって大型化する植物は結構あります。 車軸藻類では染色体の大型化と形の複雑化が顕著に起こり新種ができることが知られています。 また、動物でも、カキやアコヤ貝を3倍体や4倍体にすると大型になりますし、魚類では”ぬし”といわれる伝説に残るような超大型のイワナなどがその類であることが結構あります。 無論これらの染色体の増加を人工的に誘導して大型の動物を作り食料として利用することも行われています。

  恐竜もこのような染色体の倍化や遺伝子の重複が激しく起こった結果、体が巨大化し繁栄した一方で、あまりに大きな遺伝物質量は変異の蓄積や遺伝子の不安定化につながり、ある時点から急速に遺伝子や染色体の崩壊がおこって絶滅したのかも知れません。 すなわち、比較的コンパクトな安定な遺伝物質をもった動物がその後の繁栄の必要条件だったのかもしれないわけです。

  

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