蛍光顕微鏡法

 

  ある特定の色の光(特定の波長の光)が当たると、その光の波長より長い波長の光を出す色素がある。たとえば紫外線があたると青白い光を出すカルコフロールという色素は白い衣服を紫外線の多い晴天の戸外でより白く見せるために用いられる。ローダミンという色素は緑色の光(波長520ナノメータ(nm)があたるとオレンジ色(波長580ナノメータ(nm)の蛍光を出す。また水銀蒸気中での放電により発生する紫外線(254ナノメータ)を管の内側に塗った蛍光色素の混合物にあて白色光を出すのが照明に使われる蛍光灯である。 紫外、オレンジ、赤外という順に波長が長くなる。このような蛍光色素を顕微鏡標本の染色に応用し観察する方法が蛍光顕微鏡法である。もし蛍光色素を、われわれが観察したいと思う細胞内の構造(例えば細胞骨格)に、ローダミンなどの蛍光色素結合させた試薬を結合させ、細胞などの標本を染めたのち、ある特定の光をこの蛍光色素分子に当てると、目的の細胞内の構造が暗黒を背景にして光ることになる。たとえば、蛍光色素がローダミンの場合は緑色の光をあてるとオレンジ色の蛍光を発する。

 蛍光顕微鏡はこのように、蛍光色素を光らせるための光(励起光)を照射する光学系とそれにより発生した蛍光(蛍光放射光)を観察する光学顕微鏡を組み合わせたものである。このうちで観察用の対物レンズを兼用して励起光を照射するタイプの蛍光顕微鏡を落射蛍光顕微鏡と呼び、試料の観察する側の面に励起光が直接照射され像が明るくシャープであるなどの理由で一般的に広く使われている。 この方式では顕微鏡の対物レンズから励起光を試料方向に照射すると同時に試料から逆に放射されてくる蛍光を分離しなければならないがこの重要な役割を果たすのが、励起光は90度反射し放射光はまっすぐ進ませるダイクロイックミラーと呼ばれる特殊な反射鏡である。


 


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